大ちゃんの奥さんが、二週間ほど家を空けることになりました。
大ちゃんは、奥さんがいない間、朝はお茶をわかして洗濯物を干して
会社に出てきました。
もちろん朝食は食べません。
そして仕事が終わって家に帰っても奥さんはいないし、
同居する二人の息子はそれぞれ勝手にご飯を食べてきます。
大ちゃんは一人さびしくご飯を食べる気になれずに
夕食もろくに食べませんでした。
そんな二週間を過ごして、ようやく奥さんが家に帰ってきました。
大ちゃんは奥さんにぽつりと言いました。
「俺はおまえがいないと毎日がみじめでたまらんし
　それより何より楽しくないわ」
今まで全部奥さんに頼りきっていたことを
身に染みて感じた大ちゃんですが、
帰ってきてからは元の木阿弥で
甘えっぱなしの大ちゃんです。

その話を聞いた、松原町の
水周りの部品を扱っている
丸王産業の社長は叫びました（この人は声が大きい）。
「わかる、わかる！俺もうちのやつがおらんなったら
　生きていけんかもしれん」
ここにもまた一人、奥さん依存症の人がいました。