「石の郷」ダイボ石材店が綴る
大ちゃんは、今から三十五年ほど前に、務めていた寿屋を退社し、
延岡に帰ってきて家業を継ぎました。
その時は父親がダイボ石材店を経営していましたが
どちらかというと家内工業といったものでした。
それから機械化を進めていったわけですが、その当時は
仕事に関して父親と喧嘩ばかりしていたそうです。
表面はおっとりとして、従業員からは「会長さん」とか
「爺さん」などと可愛がられて、まさしく「好好爺」の
雰囲気をかもしだしていました。
自分の考えを曲げない頑固な一面もありましたが
それは家族の前だけでしか見せない姿でした。

その父親も亡くなってから今年で十三回忌を迎えます。
大ちゃんはふと思いました。
今の自分を見て親父はどう思っているんだろう。
褒めてくれるだろうか、
それともしっかりしろよと
渇をいれるだろうか。

いやいやきっと今頃は
「俺はな〜んにもわからんよ」と
うつらうつら眠っていることと思います。
長いようで短い十二年でした。
大ちゃん日記


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